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4次元図形の和名

概要

半正多胞体のほとんどには和名が付いていません。
和名がなくて何が不便かって、覚えにくさと発音のしにくさですね。
……というわけで、サイト開設第1回目は各図形に和名を(勝手に)つけてみることにしました。
以後、サイト内では基本的にこの名前で呼びます。bitruncated 16-cellと毎回書くよりも分かりやすいはずです。

正多胞体から規則的な変換で得られるもの

多くの半正多胞体は正多胞体6種から規則的な操作によって作ることができます。
3次元で言えば「立方体」→「切頂立方体」、「正12面体」+「正20面体」→「正20・12面体」などです。
この時、多面体の名前も規則的に言葉を足したり組み替えたりして新しい多面体の名前になっています。
英語の半正多胞体はほぼ全てが3次元と同じように「規則的な単語を足して」半正多胞体の名前としているようですので、 この「規則的な単語」を訳すことでほぼ全ての半正多胞体に和名を付けることができます。
……というわけで考えてみました。

truncated N-cell → 切頂正N胞体

多胞体の頂点を、辺の中点と頂点の間まで切り落としたもの。
例:切頂正8胞体(truncated 8-cell)

4th Viewファイル

これに異論はないと思います。
3次元にも同じ操作があって、同じように「truncated→切頂」と訳されていますので。

rectified N-cell → 深切頂正N胞体

多胞体の頂点を、辺の中点まで切り落としたもの。
例:深切頂正8胞体(rectified 8-cell)

4th Viewファイル

いきなり新しい言葉を作りました。
3次元にも同じ操作がありますが、この操作をすると中間体ができてしまうので和名が「正N・M面体」になってしまいます。
4次元では準正多胞体になるものの中間体にならないのでこの言葉を流用することはできません。
……というわけで、安直ですが、「切頂」よりも深く切頂するから「深切頂」としました。
ちなみに正16胞体にこの操作をすると正24胞体になります。

bitruncated N-cell → 正N・M胞体 or 半正2N胞体

多胞体の頂点を、辺の中点と面の中心の間まで切り落としたもの。中間体。
例:正8・16胞体(bitruncated 8-cell / bitruncated 16-cell)

4th Viewファイル

最も簡単な操作で作られる中間体なので「正N・M胞体」としました。
ただしコイツは準正多胞体の条件を満たさないので、一概に立方8面体の4次元版とは言えません。
そう考えると少し微妙な気もしますが、この呼び方なら一般次元に拡張可能なので良しとします。

そしてもう一つの訳「半正2N胞体」なのですが、自己双対な正5胞体・正24胞体から得られる図形に対して 「正5・5胞体」とか「正24・24胞体」とか呼ぶのは不自然に感じたので、それぞれ「半正10胞体」「半正48胞体」とすることにしました。 この呼び方なら、全ての胞の形が同じであることも分かりやすいと思います。

cantellated N-cell → 斜方正N胞体

多胞体の辺を削ったもの。辺部分には(1辺に集まる胞の数)角柱が現れる。
例:斜方正8胞体(cantellated 8-cell)

4th Viewファイル

このあたりから、慣れてないと想像が難しくなります。3次元における「斜方」操作の拡張のひとつです。
3次元においてもcantellated→斜方と訳していたので、そのまま流用しました。
ただしコイツは中間体ではないので、後半が「正N・M胞体」ではなく「正N胞体」です。
操作の結果現れるのが菱形(斜方)ではなく角柱なので異論がありそう。

runcinated → 斜柱正N・M胞体 or 斜柱半正2N胞体

多胞体の面を削ったもの。面部分にもとの面と同じ形の底面を持つ角柱が現れる。中間体。
例:斜柱正8・16胞体(runcinated 8-cell / runcinated 16-cell)

4th Viewファイル

「面を削る」という操作がイメージしにくいかもしれません。3次元における「斜方」操作の次元をひとつずつ上げればこの操作になります。
3次元的に言う(?)なら、「多胞体の面を引きはがし、面が繋がっていた場所に角柱を埋め込む」操作でしょうか。
面を削るためには辺も削る必要があり、辺を削るためには頂点も削ることになり、結果的にこの図形は中間体になります。
「斜柱」という言葉は、「斜方」の次元を上げたらこうなった……といった経緯でできました。斜めじゃなくても、覚えやすければそれでいいんです。

cantitruncatd → 斜方切頂正N胞体

深切頂正N胞体の頂点をそぎ落としたようなもの。3次元における「斜方切頂」とほぼ同じ。
例:斜方切頂正8胞体(cantitruncatd 8-cell)

4th Viewファイル

英語:cantellated + truncated = cantitruncatd。
日本語:斜方 + 切頂 = 斜方切頂。
斜方切頂には大斜方という呼び方もあり、私は最初そちらで覚えました。
私としては大斜方のほうがしっくりきますが、どうやら斜方切頂のほうがメジャーなようなので……。
もしかしたらサイト内では「大斜方」と呼ぶかもしれません。

runcitruncated → 斜柱切頂正N胞体

切頂正N胞体の面を削ったようなもの。3次元に相当する操作はない。
例:斜柱切頂正8胞体(runcitruncated 8-cell)

4th Viewファイル

これは非常に迷いました。
英語名はruncinated + truncatedなので単純に考えれば斜柱+切頂で良いように思えるのですが、 長らくこれがどんな操作か想像することができなかったのです。
最終的には切頂+斜柱の操作と考えていいだろうと踏んでこの名前にしました。

omnitruncated → 大斜柱正N・M胞体 or 大斜柱半正2N胞体

中間体。斜柱正N・M胞体の辺を削ったような、斜方切頂正N胞体の一部の面を削ったような、正N・M胞体の頂点を(以下略
例:大斜柱正8・16胞体(omnitruncated 8-cell / omnitruncated 16-cell)

4th Viewファイル

「omni-」は「オムニバス」などにも見られる接頭辞で、「全ての-」という意味。
3次元では斜方切頂にこの単語が使われています。
こちらも名づけに非常に迷いました。「全ての」が意味する通り、様々な操作の組み合わせで最終的にはこの図形にたどり着くようで、 一概にAとBを組み合わせたものと言いにくいのです。
様々な言葉の組み合わせを考えましたがどれもしっくり来ず(それ以前に2単語の組み合わせなら、残っているのは「斜柱斜方」しかないのです)、 最終的には英語の2つ名(?)であるgreat disprismato〜からとって「大斜柱」としました。

星型正多胞体

全部で10種類ありますが、全て定着した和訳は無いようです。原因として考えられるのはこれらの名前に使われている「grand」の単語。
これは3次元の「大12面体(great dodecahedron)」などに使われた「great」の上位バージョンのようで、 3次元で大きい(尖っている)ほうが「great」、4次元で大きい(尖っている)ほうが「grand」と規則的にできています。
この規則性を参考にしつつ、文字の並びから規則的に形が分かるように言葉を選んで10個の星型多胞体に名前を付けました (そのため、単語が1:1で対応していない部分があります)。

↓完成した和訳表はこちら

英名 和名案 シュレーフリ記号 胞形状 頂点形状
Grand 600-cell 交差600胞体 {3, 3, 5/2} 正4面体 大20面体
Grand 120-cell 交差120胞体 {5, 3, 5/2} 正12面体 大星型12面体
Great 120-cell 大120胞体 {5, 5/2, 5} 大12面体 星型12面体
Great Grand 120-cell 大大120胞体 {5, 5/2, 3} 大12面体 大星型12面体
Icosahedral 120-cell 20面交差120胞体 {3, 5, 5/2} 正20面体 大12面体
Great Icosahedral 120-cell 大20面120胞体 {3, 5/2, 5} 大20面体 小星型12面体
Small stellated 120-cell 小星型大120胞体 {5/2, 5, 3} 小星型12面体 正12面体
Grand Stellated 120-cell 小星型交差120胞体 {5/2, 5, 5/2} 小星型12面体 大12面体
Great Stellated 120-cell 大星型120胞体 {5/2, 3, 5} 大星型12面体 正20面体
Great Grand Stellated 120-cell 大星型大120胞体 {5/2, 3, 3} 大星型12面体 正4面体
この表の命名規則
  • 多胞体を構成する多面体の名前から始まる。面数がなければ12を補う。表記がないものは、正120胞体や正600胞体をもともと構成する胞と同じ。
  • 「交差」が付いているものは辺形状が星型5角形。胞名の後に「大」が付いていれば辺形状が3角形。それ以外は5角形。

どちらかと言うと、この和訳表は英名よりもシュレーフリ記号と1:1で対応しているものかもしれません。

多面体を底胞とする柱状のもの

○○ prism → ○○柱

4次元空間では、3次元図形がそれと直交する方向に移動した軌跡として現れる図形、つまり3次元×1次元タイプの柱体を考えることができます。
これにも定着した訳はないようですので、勝手に法則を作りました。
それはズバリ、「多面体の『体』の字を『柱』に変える」だけです。
正8面柱、正20面柱、斜方立方8面柱……などなど。
この場合、角柱や反角柱を底胞とするようなものは困ってしまいますが、「3角柱柱」「5角反柱柱」とでも呼べばいいでしょう。
同様に、多面体を底胞とする錐体も「体」の字を「錐」に変えた名前で呼びます。

duoprism → 双角柱

例:正5・7双角柱

4th Viewファイル

3次元までには存在しない、2次元×2次元タイプの柱体です。
これは定着した訳である「双角柱」を使います。個別の呼び方は「正5・7双角柱」などがいいと思います。
ヘタに括弧なんかつけて「正(5,7)角柱」などとすると、どう読んだらいいのか分からなくなります。

上記に含まれないもの

特殊な半正多胞体

「大反角柱」「ねじれ24胞体」で分かりますよね?

円・球に関するもの

2次元で無限の対称性を持つものは円だけ。
3次元になると、球の他にも「一部に無限の対称性を持つ」円柱と円錐が現れます。
4次元になると「一部に無限の対称性を持つ」ものがさらに増えて、円柱柱、円錐柱(または円柱錐)、円錐錐、双円柱、球柱、球錐などが考えられます。 これらの呼び方については「多面体を底胞とする柱状のもの」の応用なので問題ないと思います。
では、4次元で新たに表れる「全方向に無限の対称性を持つ図形」のことはなんと呼んだらいいのでしょうか。

玲(れい)

ハイ、適当に考えました。
たまへんのつく簡単な漢字で、数学的な意味がなくて、なんとなく丸い響きを帯びた字を探したところ、私の脳内で即座にヒットしました。
よって、このサイトでは4次元超球のことを「玲」と呼ぶことにします。